キリスト教 - 教派一覧
キリスト教の教派とその特徴を整理しました。
皆さんはどの教派に近い思想をお持ちでしょうか?
私の価値観のもと、ポジティブな面は青字、ネガティブな面は赤字で類別しています。
私の持っている価値観は以下の通りです。
「自由主義」「聖書主義」「科学信仰」「非暴力主義」「社会への貢献」
・東欧
・オリジナルなキリスト教である自負がある
・イコン(聖像画)が特徴
・民族、家族の宗教という側面がある
・プロテスタントと比較すると聖書をあまり読まないといわれている
・常置オブザーバーとして国連に代表を派遣
・教会に大きな権威を認めるのが特徴
・マリア崇敬
・民族、家族の宗教という側面がある
・プロテスタントと比較すると聖書をあまり読まないといわれている
・時代に合わせて変えるべきところはどんどん変化させていく側面を持つ
⇒「多様性による一致」を認めた第二バチカン公会議前後で大きく変わった
・意外と保守的/体制順応型
・聖書中心主義/信仰義認/万人祭司
・マリア像を飾る教会もある(聖人の彫像を置いたり崇敬することはない)
・救いを求める目的で勤労や善行に励む発想はない(信仰義認)
⇒神の恵みを感謝するだけで、具体的な善い行いをしない「静寂主義」を導きやすい
■聖公会(アングリカン協会)
・別名イギリス国教会
⇒2派をつなぐブリッジ・チャーチの役割を担う
・聖人やマリアを崇敬しない
⇒強制力はない
■改革派/長老派
・予定説(カルヴァン主義)
⇒人が天国に行くか地獄に行くかは、その人間の意志や行動には無関係で、
すべては一方的に神が決める。
⇒仕事に励み、金を稼いで良い思想。資本主義につながる
⇒貧しいことは怠惰の結果、あるいは神に見捨てられた人間のしるし、として
選民思想と結びつきやすい点が非難されている。
・聖書の学びに熱心
・仕事を通じて社会に何かを還元していこうという意欲が大きい
■会衆派/組合派
・英国エリザベス一世下で国教会から分離
・カルヴァン主義進学(予定論)を基本とするが、教会メンバーが認めればどんな思想でも許容する
⇒許容範囲が広すぎる
・集団としての結束力はあまり強くない
■バプテスト
・北米/アフリカ
・幼児洗礼を否定(自覚的な信仰告白に基づく信者のみを教会員とする)
・カルヴァン主義(予定論)が主流
・神学的理解、政治的見解、生活態度すべてが極端なまでに保守的
・天地創造、ノアの箱舟、処女降誕、復活も全部文字通りに信じ、進化論に反対
・近年のアメリカでは政治的活動にも進出(いわゆる原理主義者)
・特にアメリカ南部バプテスト連盟内部の保守派は手強い宗教最右翼
■メソジスト
・几帳面な生活態度
⇒人間は自らの意志で神の救いを受け取ることも、拒絶することもできる
⇒予定説とは対照的。
・英国では第二次世界大戦以降、国教会との間で合同の動きがある
・バプテストと並んで、もっともアメリカ的な教派といわれている
・ラテンアメリカ/アジア/アフリカ
・集団的恍惚状態や神癒の奇跡を積極的に評価する
・神に関する知識や教義の修得よりも、神の霊による導きを自分の内に感得できる能力を養うことを重要視している
・伝道にはエネルギーを注ぐが、社会的な活動にはあまり関心がない
・教養的なキリスト教の対極に位置する
・弱者/貧者の宗教と形容する人もいる
・世俗社会に対しては逃避的
・キリスト教原理主義の主流という声もある
・ドイツ
・幼児洗礼を否定
・アーミッシュ…電気や自動車などの現代文明を拒否
・フッタライト…財産共同体を形成。現代文明は拒否しない
・徹底的な非暴力主義
・現実逃避型
■クエーカー(フレンズ)
・万人が救済されうると説く(予定説とは対照的)
・徹底的な非暴力主義
・戦争中の人道的活動を認められ、1947年ノーベル平和賞受賞
・1948年から国連の経済社会理事会に代表を送っている
・エリートだけの閉鎖的集団のイメージがある
・クエーカーの学校は教育レベルと学費が高い
■ユニテリアン・ユニヴァーサリスト
・ユニテリアン…三位一体を否定し、神の単一性を主張
・ユニヴァーサリスト…予定説を否定し、すべての物が例外なく救われるとする万人救済説を主張
・イエスの復活は、肉の復活ではなくキリスト教信仰の出発点としてとらえている
・科学の諸発見を尊重する
・自由主義神学の最先端
・死後のことより現世でどう生きるか、聖書の言葉をただ聞くことより実行することに比重を置く
・隣人愛を実践するため、社会運動には熱心
・極度に合理的で、情緒に乏しく醒めている
・裕福な教養人の宗教
・道徳に近く、宗教としては説得力がない
・アメリカの国勢調査ではUUはキリスト教に含まれず、その他の宗教に分類されている
・正統派の教会に留まりながら、神学上のリベラリズム運動を展開するUU共鳴者もいる
・近年、異端としてUUが言及される機会はめっきり少なくなった
⇒エホバの証人、モルモン教、統一教会が教勢を延ばしているため。
■救世軍
・イギリス
・軍隊組織を導入
・社会福祉や医療の働きをしつつ、救霊(伝道)を行っているのが特徴
・社会的弱者へ視線を注ぐ
・人数に対する社会福祉事業の展開割合は随一
・ノーベル平和賞の候補にもノミネートされた
・1998年に英国で行われた調査では救世軍を教会と認識している人は1割に満たなかった
・保守的
・福音派は複数の教派を横断する流れとなっている
・聖書において、ほかの人が隠喩ととらえる箇所を文字通りに解釈する
・原理主義者は福音主義者の中でも、自分と違う価値観の者に社会を支配される状況に怒り、それを変えようとする人々をさす(プロテスタントの最右翼)
・積極的に政治に参与する
・排他的、独善的、戦闘的なイメージがある
・千年期前再臨説の立場に立ち、将来のことをあまり心配しない
⇒人間の社会変革など無意味ととらえ、地球環境の破壊も意に介さない
・現世での生活を辛いと感じる貧困層にとって、イエスの再臨こそが明るい希望であることは間違いない
※ヨーロッパにおける「福音主義協会」=プロテスタント教会と、現代アメリカにおける「福音派」を混同しないように注意
・アメリカ
・自派の組織や規範への絶対的な服従を要求
・輸血拒否、訪問伝道
・三位一体を否定
・神の音訳として「エホバ」を使用
・十字架を強く否定
・折々に調整される教理や禁忌、独自の聖書といった偏向がみられる
・教会ではなく「王国会館」と呼ぶ
・寄付は好きな時にする
・アメリカ
・キリスト教系新宗教(異端、カルト)
・モルモン書を聖典にもつ
・三位一体に関しては、目的は一つだがそれぞれが別個の存在と考える
・昇栄のためには教会に什一献金を納める必要あり(遵守度合いは人それぞれ)
・宣教は義務ではないが、若い独身者には強く推奨されている
・多神教的教義、選民思想の強さ、過去の多妻結婚や人種差別が批判の対象になっている
■キリスト教科学(クリスチャン・サイエンス)
・アメリカ
・三位一体、処女降誕、十字架上の受難、贖罪、復活を信じる
⇒ただし、神を男性としてのみでなく父-母の両性で理解する
・聖書を第一の指針としながらも、創設者エディ夫人の著書に重きを置く
・神の似姿である人間は、完全であるという理解を持つ
・会員は身体的な不調にあっても、基本的に医学の力を借りずただ祈りに頼る道を選ぶ
⇒エホバの証人の輸血拒否のような厳しさで通常医療を否定しているわけではない
■さいごに
私がどの教派に近い思想を持っているのか、明らかにするためには、
マリア崇敬・予定説・各教会がどこまで聖書を文字通りに信じているか?
についての理解を深める必要がありそうです。
参考文献)なんでもわかるキリスト教大事典